写真の止まった画面のなかにも、映画のような時間の流れを表現できるんだ。できの悪いテレビドラマなんかより、ずうーっと雄弁に、時間の流れを感じさせることができる。これもまた、写真の楽しさのひとつなんだ。
ふつうに考えると、当然動く画面にかなわない。ただ、誰でも想像できる動きの一瞬を止めて見せれば、見る側は、その前後を頭のなかで、動く画面以上に感ずることができるんだ。これが、時間の流れを1枚の写真で見せるということだ。
たとえば、海辺で撮るとしよう。車を運転する彼女をパシャ。水着に着替えるところでパシャ。泳いで疲れている彼女をパシャ。メイクや、髪など、直さなくてもいい。自然なストーリーの流れにそって撮るんだ。そうすれば、メイクだって、髪形だって、どんどん変わるし、もちろん表情だって変わるはずだ。こんな、日常的な行為の連続が撮れていれば、それぞれの前後に起こったできごとは容易に想像できるし、時間の流れだって感じとれることができるんだ。
|