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■京都11R 第11回秋華賞 3歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(混)(指定) 芝 2000m 18頭立
2001年: 1【s】テイエムオーシャン=2【s】ローズバド=3【p】レディパステル 2002年: 1【s】ファインモーション=2【s】サクラヴィクトリア=3【p】シアリアスバイオ 2003年: 1【s】スティルインラブ=2【p】アドマイヤグルーヴ=3【s】ヤマカツリリー 2004年: 1【s】スイープトウショウ=2【s】ヤマニンシュクル=3【p】ウイングレット 2005年: 1【s】エアメサイア=2【s】ラインクラフト=3【p】ニシノナースコール
ヨーロッパでは冬場の競馬開催がお休みになる替わりに、夏場にも切れ目なくG1が組まれている。日本のように、トップホースが夏休みをとるのは当たり前ではない。
ディープインパクトにとって凱旋門賞は、生涯最大の目標ではあったのだろうが、同時に10月頭のレースということで、あくまで「秋初戦」でもあった。ヨーロッパ競馬の最大のレースに休み明けぶっつけで臨むディープのローテーションには、向こうのメディアが揃って違和感を表明していたが、それも無理がないことだ。
休み明けでも不足なく仕上がることを証明するためには、ディープが勝つしかなかったが、それはかなわなかった。準備不足を批判されても反論できない。
オークス馬のカワカミプリンセスも、今回同じような立場にある。秋華賞を秋の最大目標に設定するか? あるいは、次のエリザベス女王杯までにらんで、「秋の二冠」のうちのひとつという位置付けにするのか。チャンピオンにしか許されない、贅沢な選択である。
カワカミプリンセスを管理する西浦調教師は、かつて桜花賞馬テイエムオーシャンを休み明けで秋華賞に使って、快勝させた実績がある。そのノウハウを持っているからこそ、今回もカワカミプリンセスをきちんと仕上げる自信があるのだろう。
ただし、競馬には相手関係というものがある。今年の秋華賞のメンバーは、テイエムオーシャンのときとはちょっと違う。
というのは、今年の牝馬戦線からは、じつは脱落馬がほとんど出ていないのだ。みんな順調に夏を越して、秋の最終決戦を迎えている。
ここには、ローズSの1〜6着馬が顔を揃えた。ローズS組はぜんぶで8頭いる。桜花賞からは、1〜5着馬をはじめとして7頭がここに生き残った。これがオークス組ということになると、なんと13頭も出走している。ほとんど再戦といっていいメンバー構成なのである。
牝馬は消長が激しいと言われるなか、ここまで順調に夏を越した世代は非常に珍しい。その結果として、今年の秋華賞の出走ボーダーは、収得賞金1350万円で抽選という、とんでもないハイレベルになった。つまり、一番格下の馬でも準OPに格付けされているということである。500万勝ちの馬が見当たらない秋華賞なんて、前代未聞である。
どういうことかというと、今年の秋華賞には「雑魚」がいない、ということだ。4コーナーを待たずに失速していくような馬は、数少ないはず。この馬群を捌くのはたいへんだし、外を回そうとしたら距離のロスがえらいことになる。
つまり、狙いは先行馬。
1 1【p】キストゥヘヴン 牝3 安藤勝己 55 (美)戸田博文 1 2【s】ソリッドプラチナム 牝3 小牧太 55 (栗)田中章博 2 3【p】タッチザピーク 牝3 池添謙一 55 (栗)田中章博 2 4【p】シェルズレイ 牝3 岩田康誠 55 (栗)松田国英 3 5【s】フサイチパンドラ 牝3 福永祐一 55 (栗)白井寿昭 3 6【p】ブルーメンブラット 牝3 川島信二 55 (栗)安藤正敏 4 7【s】シークレットコード 牝3 横山典弘 55 (栗)森秀行 4 8【s】ホウショウルビー 牝3 藤岡佑介 55 (栗)領家政蔵 5 9【p】アドマイヤキッス 牝3 武豊 55 (栗)松田博資 5 10【s】ヤマトマリオン 牝3 幸英明 55 (栗)安達昭夫 6 11【s】キープユアスマイル 牝3 田中勝春 55 (美)高橋祥泰 6 12【p】カワカミプリンセス 牝3 本田優 55 (栗)西浦勝一 7 13【s】サンドリオン 牝3 秋山真一 55 (栗)安田隆行 7 14【s】ブロンコーネ 牝3 和田竜二 55 (栗)池江泰郎 7 15【p】ニシノフジムスメ 牝3 藤田伸二 55 (栗)藤原英昭 8 16【p】アサヒライジング 牝3 柴田善臣 55 (美)古賀慎明 8 17【p】トシザサンサン 牝3 熊沢重文 55 (栗)鮫島一歩 8 18【p】コイウタ 牝3 吉田隼人 55 (美)奥平雅士
フサイチパンドラは牡馬顔負けの好馬体の持ち主で、まるで筋肉の鎧をまとっているかのようだ。身体がムキムキしすぎているために、ともすれば動きが窮屈になってしまう傾向があり、いかにリラックスして走らせるかがカギになる。
今年の場合、桜花賞よりもオークスの方が速い流れになったということでも、前代未聞の牝馬戦線だったが、この馬はスローの桜花賞で沈んでハイペースのオークスで蘇った。今回はスローの可能性はほとんど考えられないから、不完全燃焼に終わる心配はまず不要だ。能力の上限値を期待していい。
アサヒライジングは、超がつくハイペースを追いかけて、早め先頭からきわどく粘ったオークスが圧巻の内容だった。ただ、あそこで3着に終わったのは、ペースが厳しかったのもあるが、この馬自身お終いの鋭い脚に欠けるせいでもある。勝ち切るためにはそこをカバーしてあげる必要がある。
シェルズレイはG1に行くと我慢が利かないが、G2ではいつも良い競馬をする。これは、スタミナや底力というより、トップスピードが劣るためだろう。平均スピードの争いに持ち込めれば、前走のように素晴らしい内容の競馬ができるのだから、要は乗り方ひとつである。ローズSではアドマイヤキッスの差し脚ばかりが目立ったが、自力で早いラップを刻んで目標となったこの馬も、もっと評価されるべきだ。
カワカミプリンセスは前にも行ける馬だから、他の人気馬ほどは差し遅れの懸念は大きくない。問題はやはり、骨っぽいメンバーを相手にぶっつけ本番で戦わなければならないことのハンデだ。テイエムオーシャンとは違って肉厚の大型馬だから、同じ休み明けでもべつの苦労があるだろう。
◎ 5.フサイチパンドラ ○ 16.アサヒライジング ▲ 4.シェルズレイ 注 12.カワカミプリンセス
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なぜフルゲートにならないのか |
10/13 21:18 |
■京都11R 第41回デイリー杯2歳S 2歳・オープン・G2(馬齢) (混)(指定) 芝・外 1600m 13頭立
2001年: 1【s】ファストタテヤマ=2【s】ホーマンウイナー=3【s】ダイワファルコン 2002年: 1【s】シルクブラボー=2【S】ブルーイレヴン=3【s】マイネルモルゲン 2003年: 1【s】メイショウボーラー=2【p】グレイトジャーニー=3【s】アドマイヤシェイク 2004年: 1【p】 ペールギュント=2【p】ライラプス=3【p】シルクタイガー 2005年: 1【p】マルカシェンク=2【p】ダイアモンドヘッド=3【p】スーパーホーネット
ぜんぶで二つしかない2歳G2のひとつである。賞金もそれなりに高いし、この開催の2歳重賞は、東西あわせてこれしかない。ローテーション的にも、このあとどこを目指すにしてもちょうど良い時期に組まれている。
使いやすい条件がここまで揃っているのに、デイリー杯はなぜか、フルゲートにならない。デイリー杯のフルゲートは、一応「18」と設定されているが、一番多く集まったのは2001年の16頭。その後は13・11・13・11と来て、今年もまた13頭立てに留まった。
なぜフルゲートにならないのだろうか。おなじく2歳1600m重賞の新潟2歳Sには、今年など18頭も集まったというのに。
ひとつ考えられるのは、このレースには牝馬の参戦が少ないから、ということだ。過去5年間を振り返っても、牝馬の出走は、合計でたったの2頭を数えるのみである。今年の新潟2歳Sには18頭中11頭もの牝馬が出走していたことを思えば、このギャップには驚きさえ覚える。
もちろん、これにははっきりした理由がある。牝馬の有力馬は、次開催のファンタジーSを使うのが王道だからだ。牡馬がいない=より賞金が得やすい重賞が控えているのに、牡馬の強豪と京都外回り1600でガチンコ勝負をやって消耗して、なんの得があるというのか。
今年のデイリー杯には珍しく、牝馬が2頭登録してきたが、それでもフルゲートには遠く及ばない。京都外回り1600という条件で、ただでさえじっくり走ろうという意識が働くところに、手頃な頭数と来ては、展開がヒートするはずもない。淡々とした道中になることは目に見えている。
そうなるとどうなるのか。強い先行馬が勝つのだ。
1 1【s】クラウンプリンセス 牝2 小牧太 54 2 2【s】オールライトナウ 牡2 安藤勝己 55 3 3【p】マルカハンニバル 牡2 福永祐一 55 4 4【p】オースミダイドウ 牡2 武豊 55 4 5【p】ローレルゲレイロ 牡2 本田優 55 5 6【p】クールスーペリア セ2 四位洋文 55 5 7【s】キングスデライト 牡2 小池隆生 55 6 8【s】スナークトモクン 牡2 和田竜二 55 6 9【p】アルシラート 牡2 藤田伸二 55 7 10【s】メイショウバルドル 牡2 石橋守 55 7 11【s】マイネルソリスト 牡2 岩田康誠 55 8 12【p】アラハ 牝2 秋山真一 54 8 13【p】ケイアイマイスキー 牡2 幸英明 55
強い先行馬・オースミダイドウのレースになるだろう。スラッとした体つきのスペシャルウィーク産駒で、当然のことながら短距離馬ではない。スピード豊かな中距離馬というべき馬だ。追ってから弾ける感じはしないが、上下動の少ないフォームには安定感があって、長く良い脚を使うタイプと見る。ローレルゲレイロを目標に、きっちり抜けだしてくるものと思う。
オースミダイドウの抜け出しが早ければ、長い直線の京都だけに行った行ったは難しい。差し馬の台頭する余地がここに出てくる。
2歳重賞のセオリー通り、穴は「差し実績」を持つ馬から選ぶ。新潟2歳Sで渋太い差し脚を見せていたクラウンプリンセスがその筆頭。荒れた内を突いての5着は着順以上の価値があるし、張りのある馬体は目を引いた。
オールライトナウの前走はカンナS4着だが、次走でオープンのききょうSを勝ったマイネルサニベルとクビ差の接戦だったから、けっして弱い馬ではない。差し脚は堅実だし、安藤勝己騎手鞍上で、ここはチャンスがある。
◎ 4.オースミダイドウ ○ 1.クラウンプリンセス ▲ 2.オールライトナウ 注 5.ローレルゲレイロ △ 9.アルシラート △ 10.メイショウバルドル |
Dancing on the Hill |
10/01 01:04 |
■中山11R 第40回スプリンターズS 3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1200m 16頭立
2001年: 1【p】トロットスター=2【p】メジロダーリング=3【s】ダイタクヤマト 2002年(新潟競馬場): 1【p】ビリーヴ=2【p】アドマイヤコジーン=3【p】ショウナンカンプ 2003年: 1【s】デュランダル=2【p】ビリーヴ=3【p】アドマイヤマックス 2004年: 1【s】カルストンライトオ=2【s】 デュランダル=3【p】ケープオブグッドホープ 2005年: 1【s】サイレントウィットネス=2【s】デュランダル=3【p】アドマイヤマックス
スピードってなんだ?
ふつうに考えれば、「時計が速いこと」だろう。そういう意味では、「ヨーロッパの競馬より日本の競馬の方が、スピードが求められる」という言説が成り立つ。わかりやすい説明だが、それでは話が終わってしまうので、もう少し厳密に考えてみよう。
スピードとは、要するに速さだ。速度=距離/時間だから、単位距離をいかに短い時間で走り抜けるか。ヨーロッパの馬も日本の馬も、精一杯スピードを追求していることには変わりがない。
当たり前のことをクドクド言って、要するになにを伝えたいかというと、「スピードの意味は場所によって変わる」。これが言いたかった。ちょっと長いけど、ある文章を引用したい。飛鳥新社から出ていた『プーサン』という雑誌に掲載されていた岡部幸雄元騎手のインタビュー記事からの抜粋。
ヨーロッパに行くと、トラックが重いからね。スピードだけっていうか、流れだけで行っちゃうっていうことができませんからね。もう、馬も人も一杯になっちゃうようなところがありますからね。ゴール前で一杯になったときに、もう一踏ん張りさせるためになにかをやんなきゃならないっていうところがありますからね。
時計は速くないんですけど、なんていうか、接戦しているからやめるわけにもいかない。馬がやめたら、追うのをやめようと思ってたんですけど、馬の方もやめずに頑張るんですよ、結構ね。馬場もタフ。馬もタフ。ああいう風に根気よく馬をつくっていくんですよね、むこうは。日本の馬だったら2ハロンもピシューってやれば、あとは一杯になってやめちゃうっていうのが普通だけど、直線の手前から思いっきりきて、それでも馬はやめなかったですからね。ああいうふうに馬に根気を植えつけるっていうか、覚えさせるっていうか、やっぱり、普段の、1日1日の積み重ねなんだなァと思いましたね。
(『プーサン』1995年冬号より)
ヨーロッパと日本、どっちが良い悪い、優れている劣っているではなくて、あまりにも競馬の質が違う。岡部騎手の言葉を借りれば、日本の馬は、ピシューって行く。ヨーロッパの馬は、根気よく頑張る。ならば、ピシューって行って頑張る馬を作れば、日本とヨーロッパの両地域で頂点を極められるはず。
かつて、日本調教馬でそれに一番近いところまで行ったのは、JCを勝って凱旋門賞で2着したエルコンドルパサーだろう。ピシューって行って直線で完全に抜け出したけど、最後は頑張りきれずモンジューの2着に敗れた。また、有馬記念を勝ったハーツクライは、ドバイシーマクラシックをピシューって行って勝って、キングジョージでもピシューって行って抜け出しかけたけど、最後頑張りきれず3着に敗れた。
なにも、これは日本とヨーロッパの間にかぎった話ではない。日本の中でも競馬場によってスピードの意味は変わってくる。
たとえば、中京コースは3コーナーの坂を下れば、あとはゴール板までの上り勾配はほんの僅かだ。だから、ピシューって行けばそれでだいたい押し切れてしまう競馬場だと思う。函館も札幌も、京都も同じだ。
これが中山になると、ゴール板の200メートル手前に急坂がある。ピシューっていうスピードは、この坂で吸収されてしまう。ピシューって行くだけでは押し切ることができない。道中はピシューって行くスピードが求められるけど、最後で一転して、ヨーロッパ的な「頑張り」が求められるのだ。
いきなり自転車にたとえてみると、坂での頑張りとは、ちょうど「立ちこぎ」をイメージするのが手っ取り早いと思う。坂を上がってからもまだ直線が続くのならば、軽いギアに落としてスムーズに脚を回し、筋肉や体力の消耗を避けることを心がけるべきだが、中山の場合、坂を上がるとゴール板まで60メートルしかない。もう一度ギアを上げている余裕はないから、もうトップギアのまま坂に飛び込むしかないのだ。
ここで求められるのが、「ガムシャラさ」だ。筋力、馬力、引っ張る力。身体をいっぱいに使って、減速を食い止めながら前へと進む。まさに立ちこぎだ。自転車の専門用語では「ダンシング」という。踊りって、全身運動でしょう?
1 1【p】ビーナスライン 牝5 秋山真一 55 1 2【s】タガノバスティーユ 牡3 勝浦正樹 55 2 3【P】レザーク セ6 サンマル 57 2 4【s】メイショウボーラー 牡5 福永祐一 57 3 5【p】シーイズトウショウ 牝6 池添謙一 55 3 6【s】ゴールデンキャスト 牡6 小牧太 57 4 7【p】オレハマッテルゼ 牡6 柴田善臣 57 4 8【p】キーンランドスワン 牡7 イネス 57 5 9【p】ベンバウン セ5 オドノヒ 57 5 10【p】ブルーショットガン 牡7 藤岡佑介 57 6 11【s】タマモホットプレイ 牡5 渡辺薫彦 57 6 12【s】シンボリエスケープ 牡5 蛯名正義 57 7 13【p】テイクオーバーター セ7 フォード 57 7 14【s】サイレントウィット セ7 コーツィ 57 8 15【s】ステキシンスケクン 牡3 後藤浩輝 55 8 16【p】チアフルスマイル 牝6 岩田康誠 55
◎ 14.サイレントウィットネス ○ 4.メイショウボーラー ▲ 7.オレハマッテルゼ 注 9.ベンバウン △ 12.シンボリエスケープ
サイレントウィットネスは去年の勝ち馬だから、適性と能力に問題があろうはずもない。状態面だけが唯一の不安材料とされるが、今春の不調はウィルス性疾患の影響が原因であり、衰えと考えるのは早計だ。ここに向けては去年同様、順調なステップを踏んできている。普通の状態であれば、それだけで充分だ。
メイショウボーラーは弱気に控えた前走は味がなかったが、状態面は悪くなかったように思う。自分の競馬ができなかったのに1秒も負けていない(7着)のだから、やっぱりこの馬は強い。中山コースでは、暴走気味に飛ばした朝日杯が僅差の2着、初ダートだったガーネットSは芝並みの時計で楽勝。ピシューっと行くだけの馬でないことは、すでに証明されている。
オレハマッテルゼははじめての1200だった高松宮記念でも、上手に競馬してクビ差競り勝った。器用に立ち回るわりには終いが甘い、というイメージだったが、平坦の中京とはいえゴール前で弾けるように伸びた。頑張った。といっても坂の中山で頑張れるかどうかはまた別の話だ。坂コースではやっぱり甘いのか、1200ならば甘さは出ないのか。悩ましい二択だが、少なくとも中京より中山の方が良いということはないように思う。 |
クラシックへと続く四つのコーナー |
09/29 16:21 |
■札幌11R 第41回札幌2歳S 2歳・オープン・G3(馬齢) (混)(特指) 芝 1800m 12頭立
2001年: 1【s】ヤマノブリザード=2【s】マイネヴィータ=3【s】トリッキーアイズ 2002年: 1【s】サクラプレジデント=2【p】テイエムリキサン=3【p】ワンダーボーイ 2003年: 1【p】モエレエスポワール=2【p】アズマサンダース=3【s】ヤマニンシュクル 2004年: 1【s】ストーミーカフェ=2【p】ダンツキッチョウ=3【p】セイウンビバーチェ 2005年: 1【s】アドマイヤムーン=2【p】ディープエアー=3【s】モエレジーニアス
2歳戦で最初の中距離重賞。コーナーを四つ回る重賞は、ラジオたんぱ杯とこの札幌2歳Sの二つしかない。両方とも、クラシック戦線での活躍馬を何頭も送り出す出世レースとして知られている。おなじ2歳中距離重賞でも、コーナー二つの東京スポーツ杯の勝ち馬がのきなみ伸び悩んでしまうのとは好対照だ。
コーナーが四つだから、器用さが要求されるかというと、そんなことはない。去年の勝ち馬アドマイヤムーンは外を回す捲り競馬しかできなかったし、ヤマノブリザードやジャングルポケットもけっして器用なタイプではない。器用さよりむしろ、強引な競馬を仕掛けて押し切れるだけの、馬力とか体力みたいなものが強く求められるように思える。小柄な馬や牝馬の成績が良くないのも、その傾向に沿った現象だと思う。
ただし、今年の札幌は、例年になく芝の状態が良好だ、ということには注意が必要だ。時計の掛かるタフな馬場でのパワー勝負という前提が崩れて、上がりが速くなったら牝馬が連対したり(2003年のアズマサンダース)、時計が速くなると小柄な馬が連対したり(2000年のタガノテイオー)と、逆ベクトルへの揺り戻しがしばしば発生したのも、札幌2歳Sの歴史である。レコードが期待できるような速くて走りやすい馬場で、例年のイメージを覆すようなレースが繰り広げられるかもしれない。
1 1【p】スイングロウ 牝2 松田大作 54 2 2【s】ビービーガルダン 牡2 秋山真一 54 3 3【s】ニシノプライド 牡2 四位洋文 54 4 4【p】アドマイヤヘッド 牡2 岩田康誠 54 5 5【s】ブラックシャンツェ 牡2 塚田祥雄 54 5 6【p】マイネルビジュー 牡2 菊沢隆徳 54 6 7【p】フサイチオフトラ 牡2 藤田伸二 54 6 8【s】ナムラマース 牡2 藤岡佑介 54 7 9【s】イクスキューズ 牝2 北村宏司 54 7 10【p】ガルヴァニック 牡2 川島信二 54 8 11【p】ウインボールド 牡2 本田優 54 8 12【s】クレバードラゴン 牡2 竹之下智 54
ナムラマースの前走コスモス賞は、人気の二頭が前でやり合う形になって、速い流れの離れた好位。この馬に向いた流れになったことは確かだが、早めに捲り上げていって終いも最速上がりをマークしているのだから、強いの一言だ。
牡馬としては小柄な部類だが、あまり大きくないのが幸いして、身体全体を使った「バネの走り」ができている。だから、走っている最中は小ささを感じさせない。追ってから弾けるように伸びるし、走りの効率がいいのでなかなか止まらない。平坦の中距離を走るには、非常によくできたシステムだと思う。この馬の設定するハードルは相当高い。
素質の高さではイクスキューズも負けていない。この馬もまた、強力なバネを持っている。だけど、バネの力が強すぎるので、マイルがベストなんじゃないか? という危惧を持ってしまう。ここは、芝中距離としてレベルの高いレースになる可能性が高いので、そうなったときには限界を晒してしまう危険性がある。
この条件ならば、ニシノプライドの方により魅力がある。大柄な馬体を活かしたパワフルな押し切り競馬は「札幌1800」のイメージにぴったりだ。スローに落としすぎた新馬初戦はオーソリティバイオの切れ味の前に屈したが、けっして力負けではないし、また勝った馬も相当素質が高い。このメンバーでも自分の競馬ができさえすれば、そんなに何頭にも交わされることはないだろう。
◎ 8.ナムラマース ○ 3.ニシノプライド ▲ 9.イクスキューズ |
今週の調教を見て〜札幌2歳S |
09/29 14:20 |
●札幌2歳S調教チェック
イクスキューズ 首をグッと下げた走りはボストンハーバー産駒に多い。ダイワバンディットもそう。肩先はさすがに柔軟。小柄だけに、バネが生命線の馬。硬くなったら戦力半減だろうが、今回はおそらく問題ない。ピンと集中している。手先が強すぎるような気もするが、ちゃんと体幹部を利用できているし、後ろにも甘いところがない。説得力がある。
カルヴァニック 前脚を放り出すように前に出す。肩はよく上がっているが、脚の使い方は大味なんじゃないか? 舵が利かないような懸念。山本厩舎にはそういう馬が多い。ブレイクタイムとか、カネツフルーヴとか。若干腰に甘さがありそうで、上に跳んでいるが、首使いは上々だし、トモも甘くない。乗り難しさはありそうだが、距離自体はOKだろう。
スイングロウ 薄い感じ。前脚はまずまず伸びているが肩の出には硬さを感じる。脚長感はダンス産駒ならでは。首使いが一息なのもダンスの若馬にありがち。シャーシの大きさに見合った筋肉がつききっていないので、体幹部を利用するところまで行かず、手脚の長さに頼った走りになっている。エネルギー効率は悪い。
ニシノプライド 肩は高く上がる。前脚は掻き込む、というか叩きつける感じ。ここまでの掻き込みは、悪癖に近い。故障の原因になる。首使いはOK。後ろもシャープに振れている。胴長、やや背ったる? パワーだよね。札幌1800という舞台は合っていると思う。チャンスは充分。
フサイチオフトラ 肩はよく上がっているし、前捌きはとても柔らかい。ブラックホーク産駒という感じはしない。線の細さを感じる。手脚の振り子を大きくして使っている。切れ味はある。ただし、筋力が足りていないのでフワフワした走りになっている。
ナムラマース 頭高い。肩はよく上がっている。やや力んでいるのか、脚捌きに硬さが感じられる。バネは強い。前躯の硬さが将来的には大成を妨げるかもしれないが、現状ではこのバネが大きな武器になる。弾ける。
アドマイヤヘッド 首使い○。肩は充分上がっているが、モリモリと掻き込む姿はパワータイプそのもの。ピッチ走法。本質は短距離馬なんだろうが、柔軟性のある現在ならば、中距離もこなせておかしくない。って、父の現役時からの類推か。ポイントポイントで動ける馬であることは確か。あとは能力との兼ね合いなんだが、前走がスローなだけに判断が微妙。
ビービーガルダン 肩を高く上げてそこから掻き込んでくる。ナムラマースと似た形で、チーフベアハート産駒的。ただし、上体が大きいせいか、手脚がクネクネ動くだけで全身運動にならない。体幹部が利用できない。ここがナムラマースとの大きな違い。弾ける馬じゃなくて、押しきる馬。
ウインボールド 肩の出がもうひとつ。頭も高いまま。ダンスの大型馬、未完成。使わない方がいいんだが、山内厩舎にそんなこと言っても無駄か。
マイネルビジュー 肩の出は充分。首使いも○で重心の低い走り。低く大きく走るスタミナ系だけど、二の脚もある。
ブラックシャンツェ 頭が高いまま。掻き込む。パワー。後ろはクチャクチャ。前脚に頼った走り。期待できない。
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