厚生労働省が6月7日に発表した人口動態統計の概況によれば、2001年の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む子供の数)は1.33で、戦後最低を記録した。人口が増えも減りもしない状態を保つには、合計特殊出生率が2.1以上なければならない。1.23まで落ちたイタリアよりはましだが、アメリカの2.13、イギリスの1.65(いずれも2000年)に比べれば、日本の少子化ははるかに進んでいる。
少子化が問題なのは、生産年齢人口(15〜64歳の人口)の減少と、高齢人口の増大を招くからである。養う人が減って養われる人ばかりが増えていけば、社会は活力を失い、社会保障制度は崩壊する。
少子化の大きな原因として、女性が働きながら育児をすることの困難があげられる。厚労省はこれまでに数々の育児支援策を打ち出してきたが、あまり効果をあげていない。今回、「早期退庁促進のための省内検討チーム」を設けたのは、厚労省が率先して働き方を見直すためだという。だが、はたして[残業が減る→父親が育児にかかわる→子供が増える]という循環は成り立つのか?
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