竹中平蔵氏が金融担当大臣に就任し、「不良債権処理の過程で大企業の整理もあり得る」と発言して以来、日経平均株価が急落、10月7日にはバブル崩壊後最安値を更新した。その後、一度は持ち直したものの、22日には再び300円近い大幅安。
そんななか、テレビの報道番組に出演した元財務官の榊原英資・慶応義塾大学教授が、「金融は非常にデリケートな問題。竹中大臣は、プロセスマネージメントをかなり決定的に間違えた」と苦言と呈した。竹中氏がハードランディングを宣言し、自らのプロジェクトチームのメンバーに木村剛KPMGフィナンシャル社長を選んだことが、まず市場に衝撃を与えた。昨年、木村氏が「大手30社問題」と題して不良債権処理がなぜ進まないかを論じ、反響を呼んでいたからだ。当然、市場では「どの企業があぶないか」という「予想」が飛び交った。「産業再生、企業再生の入り口から入らなければいけないのに、企業をつぶす入り口から入ってしまった」と、榊原氏はいう。
株価の急落でブレーキをかけられた不良債権処理を今後どう進めるのか、竹中氏と特命チームの手腕が試されている。
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