11月10日のテレビ番組で、石原都知事は過激な発言を続発した。
「(北朝鮮が拉致被害者の家族を)1人でも迫害したり、病気と称して殺したりしたら、そういう国とは堂々と戦争したっていい」
「憲法の拘束もヘチマもない。超法規的に行動を起こしたことで、国民は政府を逆に信頼する」
「(北朝鮮に援助したコメは)半分は日本の商社が買い戻していて、その金をピンハネしている政治家がいる。そのことを米国は知っている」
「(北朝鮮は米国が提供している重油の)相当量を日本の暴力団と組んで横流ししている。暴力団は重油を使って不正軽油を製造している」
とりわけコメや重油に関する発言は裏付けのとれない話だったので、とまどう関係者が多い。もし事実なら国会で追及されなければならない問題だが、マスコミではもっぱら、いまの時期に石原氏がなぜこうした過激発言をしたのかが取り沙汰されている。
石原氏は11月8日、官邸を訪れ、「来年秋の総裁選で自民党は小泉首相を推さないが、総裁にならなくても首相を続けるという選択肢もある」と進言したという。小泉政権への参加か、「石原新党」か、それとも都知事再選が狙いなのか――。7月に行われた朝日新聞社の世論調査によれば、「首相に一番よい人は」という設問に対して、「小泉純一郎」の20%についで多かったのが「石原慎太郎」の11%であった。
しかし、石原氏もすでに70歳。リーダーの世代交代の波が世界の先進国を洗っているいま、「石原首相」ははたして現実味のあるものなのか。
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