「将来の国際社会で活躍できるような人材を育てたいが、そのためには中学高校段階では何が必要なのか」「コミュニケーション能力と英語力をつけること、そして大学教育に十分に耐えられる基礎学力をつけることがどうしても必要だ」。 全国初の株式会社立「朝日塾中学校」はこんな考えから出発した。教育特区による研究開発推進学校に認定された結果、ある程度は教育内容が自由化されて、文部科学省の学習指導要領の枠からはみだした教育が特別に認められた。そうして、岡山県御津町にハイレベルの進学校をめざした本校が開校したのである。 教育内容の特色としては、 (1)コミュニケーション能力を養う教科として、全国初の「ディスカッション科」を開設し、週三回の授業で「自分の意見を持ち、発表できる」「他人の意見を聞き、自分との相違点について協議調整できる」「論点について肯定否定両方の立場での意見が出せる」能力の養成をする。 (2)英語については、週六回の英語の授業時間に英語学習をするのは当然として、その他に美術・体育・音楽の授業も外国人教員と日本人教員とで英語を用いて授業をしており、パソコンによる個別英語学習も加えて、中学一年の二月には全員が英検三級に合格するのを目標としている。 (3)難関大学に合格できる学力をつけるため、国社数理英の五教科では、公立中の一・六七倍の授業時間がある。つまり朝日塾中学校の三年間では公立中の五年分の授業時間があり、しかも習熟度別授業となる。放課後は毎日二時間(寮生は五時間)、校内での自習時間がある。これは希望者対象であるが大部分の生徒が選択している。 (4)幅広い経験を積ませるため、地域との交流を図るためにいろいろな体験学習にも取り組んでいる。紙漉き体験では一人ひとりが「自分の和紙」を作ったり、農業体験では「自分のトマト・ナス・キュウリなど」を植えて収穫し、備前焼体験では「自分の焼き物」を作るなどした。学校周辺の豊かな自然は心豊かな生徒を育んでくれることと期待できる。 二〇〇七年度(平成一九年度)には中学校の隣に「朝日塾高等学校」を開校する予定である。
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