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写真 「いまの恐怖政治を打破するには、いつまでも結論を出さないわけにいかない。綿貫(民輔)元衆院議長を中心に協議していく」 (時事通信8月17日付)
亀井静香・元政調会長

8月16日、記者団から郵政民営化法案に造反した議員による新党結成について聞かれて。


 9月11日の投票日に向けて、事実上の選挙戦が始まっているなか、小泉首相の方針に基づいて自民党執行部が、造反議員37人に次々と対抗馬を立てるなど、両者の戦いは熾烈さを増している。これまで防戦いっぽうだった造反組の亀井静香元政調会長は、綿貫民輔、亀井久興の両氏と16日夜に会談し、全国規模の新党をつくり、自民党に反転攻勢に出る態勢を整えることで合意した。

 政党助成法の規定によると、政党の要件は、(1)国会議員が5人以上いる、(2)直近の国政選挙において得票率が2%以上を獲得している――のいずれかを満たさなければならない。今回のような衆院解散後であれば前議員5人以上でも可能とされる。ただ、政党助成金の配分を受けるためには、現職の国会議員の参加が必要だ。今回のように、とくに分裂した場合は、政党助成金の分割が行われないなど、新党づくりのハードルは高い。

 亀井氏らは当初、無所属で戦ったほうが地元で自民党員らの支持が得やすいなどの理由から、新党結成には消極的だった。しかし、自民党の造反者潰しが強烈で、新党をつくったほうが比例区との重複立候補ができるので、救済が可能となる。また、政見放送の機会やポスターの枚数などが増え、選挙戦を展開するうえで無所属より有利となる。「生き残るために全力をあげないといけない」(綿貫氏)と一転、新党結成を決断した。党名は「国民新党」に決まった。このほか、鈴木宗男元衆院議員も、18日に北海道で地域新党「新党大地」をつくり、選挙戦に臨むことを決めた。

 今回のケースと似ているのは、12年前の1993年7月に政治改革をめぐる対立から自民党が分裂し、「新生党」や「新党さきがけ」がつくられ、宮沢内閣不信任決議案の成立を受けて解散、総選挙となったときだ。選挙後、これらの新党に、「日本新党」、「社会党」、「公明党」、「民社党」、「民主改革連合」が加わり、7党1会派による細川連立政権ができた。自民党は結党38年目で初めて野党になった。だが、この政権交代は10カ月余りで崩壊、自民、社会、新党さきがけの3党連立による村山政権にとってかわられた。

 それ以降、「新進党」、「自由党」、「太陽党」、「民政党」、「新党友愛」、「保守党」、「保守新党」など政党の離合集散があいついだが、2000年6月の衆院選から、自民党、民主党による二大政党化の状況が生まれた。今回の新党結成によって、総選挙の帰趨次第では再び政権交代や政党の再編成が起こる可能性が出てきた。



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