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論争を読み解くための重要語
海洋基本法案
2007.01.11 更新
 1月25日に召集される通常国会に、海洋政策を一元化した「海洋基本法案」が提出される。自民、公明、民主の有志議員の提案によるもので、法案が成立すれば、これまで外務、防衛など関係8省庁がバラバラに対応していた海洋政策が整理・統合され、ようやく海洋国家・日本としての体制が確立する。

 海洋基本法案は、環境保全、持続可能な開発・利用、国際的協調などを基本理念に、排他的経済水域(EEZ)の開発や日本海域の安全保障などを定める海洋基本計画を策定しようというもので、内閣は新たに海洋政策担当相を任命し、内閣府に首相を議長とする「総合海洋政策会議」を設置する。

 1994年、国連海洋法条約が発効し、以降、沿岸国がそれぞれの領海(沿岸から200カイリ以内をEEZとして設定)を管理、保護する時代に入った。中国では96年、国家海洋局が中心になっていち早く海洋基本戦略をまとめ、韓国も同じ年に海洋水産部を新設、00年に海洋基本戦略を策定している。日本は96年に同条約を批准、「EEZおよび大陸棚法」を制定し、隣国のEEZと重なる場合は、その境界を中間線としたものの、200カイリ全域を自国の領海と主張する中国とは言い分が食い違ったままだ。

 日本が海洋戦略の策定に立ち遅れたのは、いうまでもなく海底資源開発は経済産業省、汚染問題は環境省、港と海岸の管理は国土交通省と担当分野が分かれ、有事の際の海上自衛隊と海上保安庁の役割分担がはっきりしないなど、行政が縦割りになっているためだ。海洋環境を話し合う「東アジア海域環境管理パートナーシップ(PEMSEA)」への参加も、海洋法条約発効から6年遅れの01年からだった。この背景には、遠洋漁業や海運にたけた日本が「海洋自由の原則」を標榜するあまり、関係国との領土問題の摩擦を嫌い、EEZの境界設定に消極的だったことがあった。

 海洋政策の一元化を迫られた直接のきっかけは、中国との間で問題化した東シナ海のガス田開発だ。中国は、中間線の日本側にあるガス田の開発を進めており、日本としても何らかの活路を開きたいとの切迫した事情があった。

 海洋基本法案の提出にあたっては、自民党は、これとは別に、EEZ内での天然資源探査に関し、禁止、制限、罰則を盛り込んだ「海洋構築物に関する安全水域設置法案」をすでに提出済みで、こちらとの調整が必要になる。また民主党も05年に海洋権益を守る「海底資源開発推進法案」を国会に提出済みだが、今回の海洋基本法案と調整してこの法案を取り下げる方向で検討中だ。



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