今週の必読・必見
日本を読み解く定番論争
文藝春秋編 日本の論点PLUS
日本の論点PLUSとは?本サイトの読み方
議論に勝つ常識一覧
執筆者検索 重要語検索 フリーワード検索 検索の使い方へ
HOME 政治 外交・安全保障 経済・景気 行政・地方自治 科学・環境 医療・福祉 法律・人権 教育 社会・スポーツ
論争を読み解くための重要語
外来魚の放流
2003.05.01 更新
 滋賀県では、4月から琵琶湖での外来魚(ブラックバスやブルーギル)の再放流を禁止する条例を施行している。この「琵琶湖レジャー利用適正化条例」をめぐっては大きな論争があり、可決後もバス釣り愛好家のタレント、清水国明さんらが条例の無効を求めて滋賀県を訴えるなど、問題が尾を引いている。

 バス釣りはそもそもアメリカで始まったスポーツで、資源保護のため、食べずに再放流(キャッチ・アンド・リリース)するのが一般的なルール。1925年、実業家の手によって日本最初のブラックバスがアメリカから芦ノ湖に移植されたときは、「釣って楽しく、食べておいしい魚」として歓迎されたが、やがて食べずに再放流する方式が定着した。それとともに、バスが在来魚を食い荒らす被害が大きな問題になってきた。

 現在では、多くの自治体がバスの移入・持ち出しを禁じているが、バス釣り愛好家による密放流がやまず、バスの被害は全国に広がっている。

 琵琶湖の場合、1974年にはじめてブラックバスが確認されたが、以来、特産のフナずしの材料となるニゴロブナなど在来魚が激減した。滋賀県の試算によれば、琵琶湖のブラックバスとブルーギルが1年間に食べる在来魚やエビは、それらの年間漁獲量の3倍に上るという。

 バス釣り愛好家の団体はこれに猛反発、外来魚が在来魚の減少や稀少種の絶滅をもたらしているという事実は証明されておらず、むしろ環境汚染こそが最大の原因だ、と主張している。  バス論争の経緯と双方の主張については、下記の論文と基礎知識にくわしい。


関連論文

筆者の掲載許可が得られない論文はリンクしていません。
96年以前の論文については随時追加していきます。ご了承ください。

私の主張
(2002年)在来魚とバスの棲み分けゾーンをつくるなど不可能。絶対駆除しかない
秋月岩魚(写真家)

議論に勝つ常識
(2002年)ブラックバス駆除問題についての基礎知識
ブラックバス駆除をめぐる論争はいつまで続くか?



バックナンバー


▲上へ

Copyright Bungeishunju Ltd.