6月13日、石原慎太郎都知事は、「お台場カジノ」の実験を断念した。
臨海副都心でのカジノ創設は、石原知事就任時の公約のひとつ。カジノは地元自治体に税収をもたらす一方、大きな雇用を生む。昨年10月、知事は都庁舎45階の展望室に一晩だけの模擬カジノ場を開き、国会議員や自治体の首長など約400人を招待した。
ギャンブルは、日本では刑法185条(単純賭博)、186条(常習賭博と賭博場開帳等図利)などの法律によって禁じられている。競馬や競輪などの公営ギャンブルは、別の法律によって開催が許されているからで、カジノを合法とするためには、原則として新たな法律の制定が必要となる。東京都では、パチンコの例があるため、品物との交換方式なら現行法でも可能ではないかという意見もあり、特定地域で買い物できる通貨と交換する方式を検討していた。今回の「断念」発表は、この方式でも刑法に抵触するという結論にいたったためだ。
カジノを実現するためには新たな法律をつくる以外になくなった。知事はカジノ構想そのものをあきらめるつもりはなく、今後は他の自治体と共同歩調をとって法整備を求める予定だ。カジノによる地域振興をもくろんでいるのは東京都ばかりではない。今年2月、都の呼びかけで発足した「地方自治体カジノ研究会」に参加しているのは、大阪、静岡、和歌山、宮崎の4府県。これに神奈川県も参加の意向を示している。市町村レベルでは、熱海市が積極的だ。
石原知事のカジノ構想は下記の論文にくわしい。
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