10月23日夕、長岡、小千谷市など新潟県中越地方で起きた地震は、地殻内部の断層が大きくずれて発生する内陸直下型地震だった。海底の板状の岩盤であるプレートの境界がずれて起こる巨大な海溝型地震とは異なり、直下型地震は震源から地表までの距離が短いのが特徴だ。1995年1月17日の阪神・淡路大震災(M7.3、死者・不明者6436人)がそれで、マグニチュードの大きさの割に多大な被害をもたらす例が多い。今回、地震動の強さを表わす指標である震度は6強、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.8だった。
新潟県中越地震の震源は深さ10〜20キロと浅く、死者は31人、負傷者は約3000人を数え(10月27日現在)、電気、ガス、水道などのライフラインが大きな打撃を受けて、約10万3000人が避難生活を強いられた。また、ことし開業40年目の新幹線が初めて脱線した。
国土地理院の分析によると、この中越地震は主要活断層の一つ、「長岡平野西縁断層帯」から離れた空白域(地震のエネルギーが溜め込まれているのに、大きな地震が起きていない領域)で起きたもので、長さ21キロ、幅10キロの断層が北西側から南東に向かって約1.8キロずれて乗り上げたのが原因とみられている。
地震の巣といわれる日本列島では、毎年世界の地震の約1割が起きているという。阿部勝征・東京大学地震研究所教授は、「いつ、どこで、どのくらいの規模の地震が起きるかを予知するのは現状では無理だ」と指摘したうえで、「地震はいつでも起こると覚悟し、住宅の耐震対策などを講じることが大事だ」(読売新聞10月26日付)と防災の必要性を強調している。
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