私は自分の立場を、運命学の研究者であると自認しています。そして私は、運命学の知識を用いて仕事をしています。つまり、私は、運命学のプロです。したがってこのジャンルに関する知識は素人に勝れて豊富で正確なはずなのです。
しかし世間には、運や運命に関すると思われることなのに、私がまったく知らない(もしくは私が知っていることとは異なる)ことを知っている素人がやたらに多いのには驚いてしまいます。たとえば、「厄年には必ず不幸に見舞われ、死にそうな酷い目に遭う」とか、「引っ越しの方位が悪くても、一日別の方位へ寄っていけば大丈夫」とか、「1955年、一月一日生れの人は未年の一白水星である」とか…いった具合です。
でも、このような珍説?は、私の学んだ正統な運命学の知識の中には存在していません。賢明な読者にはもうおわかりでしょう。そうなのです。つまり、これらの説は、"間違い"なのです。真っ当な運命学の知識を有する者からは出ようはずもない"でたらめ"な答えなのです。それにしても、どうしてこんなデタラメとしか言いようの無い"珍説"が堂々とまかり通ってしまうのでしょう。
私は、その原因の多くは情報不足と情報混乱によるものだと思います。つまり、世間一般では、運や運命に関しては、生半可な知識は蔓延していても、正しい知識や認識に関しては、かなり重傷の"欠乏症"の状態なのではないかと思うのです。
一般の人達の運命に対する情報基盤はひどく脆弱なのです。素人や、よからぬ目的を持った輩が、まことしやかに流布する勝手な解釈のデタラメな情報を、いとも簡単に鵜呑みにして信じてしまいます。それ程人々は運命学について無知かつ無防備なのです。これは、とても怖い事なのです。
次回に続く…