コンビニエンスストア最大手のセブン−イレブン・ジャパンが3日から、全国の店舗で500mlペットボトル入り清涼飲料水数種の販売価格を147円から125円に値下げした。対象となるのは「コカ・コーラ」「午後の紅茶 ストレートティー」「おーいお茶」など、炭酸飲料、紅茶、緑茶など、各分野でナショナルブランドになっている売れ筋商品である。今後は飲料だけでなく、スーパーやドラッグストアなどに比べ割高感がある他の商品についても、値下げを検討する方針だ。
他のコンビニでは、さっそくミニストップが追随値下げを表明したが、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの3社は、恒常的な値下げには追随せず、「期間限定」の値下げキャンペーンなどで対抗する方針だ。これまで24時間営業など利便性をタテに、原則としてメーカー側の希望小売価格での販売をおこなって高い利益を稼いできたコンビニ業界だが、約1万1000店を展開するセブン−イレブンの影響力は大きく、今後の業界の動向が注目される。
セブン−イレブンは、9月1日に設立した持株会社セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂と連携して、共同購買を強化することにしている。もともとコンビニの納入価格はスーパーより高かったが、これからはグループ全体の購買力を背景にコンビニへの納入価格値下げをメーカーに要請し、値下げを実現しようというものだ(ミニストップもグループのイオンとの共同仕入れを視野に入れている)。ただメーカー側は反発を強めており、当面は値下げ分をセブン−イレブンが負担する。
コンビニにとって清涼飲料は、弁当やタバコと並んで「売り上げ全体の10%を占める」(業界関係者)という定番商品であり、セブン−イレブンの場合、1店あたり1日約500本(来客数約1000人の場合)が売れる。しかし、最近は飲料を安値販売するドラッグストアや百円ショップ、深夜営業を始めたスーパーなどとの競争が激しくなっていた。もはや利便性だけでは、ビジネスモデルとして通用しなくなっているのが実情だ。今後も、清涼飲料に限らずさまざまな商品について、メーカーとの間で仕入れ価格をめぐる激しい駆け引きが繰り広げられそうだ。
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