防衛庁・自衛隊は、平成一六年(二〇〇四年)七月に創設五〇周年を迎える。自衛隊の本来の任務は、自衛隊法第三条にあるように、「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛する」ことにある。この半世紀、隊員たちは、まさに命がけの厳しい訓練に耐え、陸海空それぞれの持ち場でその任務を全うしてきた。また、台風や地震など災害時の救急救援出動にも黙々と従事してきた。その懸命な任務遂行のなかで職に殉じた隊員は、今日までに一七〇〇人を超える。 防衛庁では、こうした殉職者を追悼し、顕彰するメモリアルゾーンとして、平成一三年秋から本庁舎敷地内の自衛隊殉職者慰霊碑を中心とする地区の整備を行ってきた。整備は平成一五年夏に完了し、同年九月一一日、披露行事を行うことができた。 自衛隊員は入隊にあたって「事に臨んでは危険を顧みず、身を挺して国民の負託に応える」旨を宣誓する。志なかばで殉職された隊員の心中を思い、この尊い犠牲をけっして無駄にしてはならないと、このとき、あらためて心に誓ったのを記憶している。
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